・ディスポーザーはどうやって生ごみを処理しているの?
・生ごみを流して、排水の流れが悪くならないの?
こんな疑問を解決する記事になっています。
目を通して頂ければ、ディスポーザーの仕組みについて、理解して頂けるかと思います。
個人・法人問わず、参考にして頂ければ幸いです。
ディスポーザーの仕組みについて、すぐ知りたい項目がある場合は、目次リンクをクリックしてください。
ディスポーザーの取付け方法・仕組み
ディスポーザーは、シンク排水口のトラップを取外して、その外した部分にディスポーザーを取付けます。
通常の排水トラップは、ロックナット(ねじ式)で締め付けられて、シンク(ステンレスでも樹脂シンク)に固定されています。
ディスポーザーを固定する方法も、同じで、ロックナットで締め付けて、シンクと固定します。
したがって、キッチンに大きな改造をしなくても、ディスポーザーは取付けることができます。
たとえば、いまお住まいのお家にディスポーザーを付けようと思ったら、条件さえ整えば、後からでも取付けることは出来るのです。
ディスポーザーの取付け間口は、直径が180mmとなっています。
この大きさは、ステンレスシンクの多くの製品で確認できるサイズとなっているため、通常の排水トラップの直径サイズが180mmなら、ほとんどの場合で、問題なくディスポーザーの取付けが出来る仕組みとなっています。
稀にステンレスシンクでも、180mm以外だったり(円形以外)、樹脂シンクで、そもそも、排水口の形状が円形でない場合があります。
ナカジマ企画では、このようなシンクでもディスポーザーの取付けを可能にするディスポーザー用取付けフランジを製作しています。
円形以外は、シンク種類によって取付け条件がことなります。
その場合は、お問合せより、ご連絡をください。
ディスポーザーの防臭トラップ機能について
ディスポーザーに、防臭トラップ機能はありません。
構造上、水を貯めておく場所がないためです。
そのため、ディスポーザー本体の排出エルボーに取付けるトラップが必要です。
現在は、多くのメーカーから、ディスポーザー用トラップが販売されていますので、それを使用してディスポーザーは取付けられています。
接続する排水管の大きさは40A、50Aのどちらが最適か?
ディスポーザーの排水を接続する配管サイズは、40Aまたは50Aのどちらでも、問題はありません。
前述のディスポーザー用トラップの管直径は38mmなのですが、複数のメーカーで、ディスポーザー用トラップと塩ビ配管を接続する継手が販売されています。
したがって、ディスポーザーだからといって、特別な配管サイズが決められている事はなく、一般的な大きさの配管サイズで、ディスポーザーの排水接続は出来るようになっています。
ディスポーザーが生ごみを処理する仕組み
ディスポーザーには、カッターの刃に類似したものは、使用されていません。
ほとんどのディスポーザーは、遠心力を利用して、生ごみを粉砕処理する仕組みとなっています。
なぜなら、生ごみの中には、硬いものなどもあり、遠心力で粉砕するのが効率良いからです。
たとえば、梅干しの種や魚の骨のようなものを、カッターの刃だけで、細かくするのは大変ですよね?
ハンマーを使って、叩き割るほうが、速く楽に細かくできます。
もちろん、食物繊維が強く、糸のようなものに対しては、カッターの刃のほうが、速く楽に細かくできるとは思います。
しかしながら、シンク排水口に取付けて使う製品のため、安全性を考慮すると、刃に該当するような構造物はないほうが良いのです。
それに、硬いものが入るたびに刃こぼれしても、効率が悪いです。
ディスポーザーは、安全性を考慮し、そして様々な生ごみに対応できるように、遠心力を利用して、生ごみを細かくする仕組みとなっています。
(注)ハンマーミルの場合
【粉砕構造別】ディスポーザーの仕組み
現在、国内で販売されているディスポーザーの粉砕構造には、いくつかのタイプがあります。
メーカーごとに、粉砕処理する仕組みにオリジナリティを持たせて、差別化をしているものだと思います。
たとえば、同じ国内メーカーのディスポーザーであっても、生ごみを細かくする概念は同じだが、細かくするまでのプロセスが違う製品があります。
ここでは、粉砕構造別に、どのように粉砕処理しているかを説明します。
ハンマーミル
最も多くのメーカーが採用している粉砕構造です。
ハンマーミルでは、ディスポーザーのスイッチを入れると、回転プレート(処理室内部の底板)が回転します。
回転プレートの上についているハンマーが、投入された生ごみを細かく砕きます。
細かくなった生ごみは、回転プレートの発生させる遠心力によって、グラインドリングと呼ばれる側壁面に押し付けられます。
側壁面に押し付けられた生ごみは、グラインドリングとハンマーの隙間ですり潰されていきます。
さらに細かくなった生ごみは、グラインドリングの隙間から、水と一緒に排出されていきます。
チェーンミル
パナソニックが採用している粉砕構造です。
生ごみを細かく粉砕するのは、ハンマーではなく、チェーンです。
それで、チェーンミルと呼ばれています。
ディスポーザーのスイッチを入れても、処理室内部の底板は回転しません。
中心軸に取付けられたチェーンが処理室内部で回転し、底板との間で、生ごみをすり潰す構造となっています。
ブレード式
マックスのオリジナル粉砕方式です。
処理室内部には、底面に配置された固定刃と、回転軸に取付けられた粉砕刃があります。
ディスポーザーのスイッチを入れると、粉砕刃が回転し、固定刃との隙間で生ごみを、すり潰す構造となっています。
ディスポーザーの排水が詰まらない理由
意外かもしれませんが、ディスポーザー排水は、排水詰まりの原因になりません。
それは、ディスポーザーで粉砕されたものが、ジュース状ではなく、粒状になるためです。
たとえば、ゴマを思い浮かべると判りやすいかと思います。
ゴマをペースト状にしたあとは、お皿の上でも水で完全に洗い落とすには、スポンジで軽く擦りますが、ゴマ本来の姿なら、水だけで簡単に洗い落とせます。
もちろん、ディスポーザーを使っていて、「排水が詰まった!」という経験を持つ人はいます。
ただ、排水が詰まった原因を丁寧に調べていくと、ディスポーザーの使用方法に誤りがある場合がほとんどです。
ディスポーザーに投入された生ごみは、ペースト状で排水されることはなく、粒状で排出されるため、水の抵抗をうけて押し流されていきます。
したがって、ディスポーザーを正しく使用するのであれば、排水詰まりの原因になることはありません。
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ディスポーザーの仕組み まとめ
ディスポーザーを知りたいと思った方は、様々な状況におかれていると思います。
お客様から、「ディスポーザーを付けたいと言われた。」、自身が購入したマンションに、「ディスポーザーが付いている。使い方がわからない!(汗)」)」などなど。
キッチンがあるところ(扱っている)には、タイミングを問わず、ディスポーザーの問合せが入ります。
そんな時に、『ディスポーザーの仕組み』の内容が、少しでもお役に立てれば幸いです。
最後に簡単にまとめておきます。
・ディスポーザーを取付ける方法・仕組み
→ディスポーザーは、排水トラップを外して、その部分に取付ける製品。
→180mmの円形排水口なら、ほとんどの場合で取付けが可能。
・ディスポーザーにトラップ機能はあるのか?
→ディスポーザーにトラップ機能はなし。ディスポーザー用Sトラップを使って取付ける。
・接続する排水管の大きさは40A/50Aのどちらが最適か
→両方とも接続可能。ディスポーザーだからといって、特別な配管サイズはなし。
・生ごみを処理する仕組み
→ディスポーザーは、生ごみを粉砕して細かくしてから排出する製品。
・粉砕構造別の仕組み
→ハンマーミルは、最も多くのメーカーが採用している粉砕方式
→チェーンミルは、パナソニックディスポーザーの粉砕方式
→ブレード式は、マックスのオリジナル粉砕方式
・排水が詰まらない理由
→ディスポーザーで粉砕された生ごみは、ペースト状ではなく、粒状(さらさらしている)で排出されるため、配管内での詰まり原因とならない。
ディスポーザーは日本では、普及していないため、わからない事ばかりだと思います。
そんなときは、いつでも、お問合せをください。